NBAの会場は、おおよそ収容人数が1万7000人から2万人前後になります。
沖縄アリーナのバスケットボールのキャパシティは、8000人なので、更に倍大きいことになります。
MLBは、不人気なチームはシーズンの集客率(スタジアムの収容人数に対して、どのぐらい埋まったか)が5割以下のチームもいくつかあり、例えば2018年のマイアミ・マーリンズなどはたった26.7%です。
これに対して、NBAは、悪いチームでも70%は超えます。
特に2018-2019シーズンでは、11チームが集客率100%以上(立ち見もあるので、100%を超えるチームがあります)になるので、多くのチームが多くのファンに囲まれた雰囲気の中で試合を行います。
多くの方がご存知のように、北米スポーツのアリーナは、NBAのチームとNHLのチームで兼用しているところが多くなります。そして大都市、特にニューヨークやロサンゼルスの会場は、NBA、NHLだけでなくコンサート、格闘技など様々なイベントが入り、ほぼ1年毎日のようにイベントがあります。
そのため、会場のスケジュールだけを見れば、いろいろやる多目的なイベント会場、という印象になると思いますが、決定的な点は、この会場をホームにしているチームが最優先で会場を使うという点です。ここがすごいのです。
2013年5月にロサンゼルスでローリングストーンズのコンサートが予定されていました。しかし、そのコンサートの日、レイカーズのプレーオフの試合が組まれました。
日程が変わったのはローリングストーンズ。
あのローリングストーンズでさえ、日程を変えざる得ないほど、そのチームのホーム会場におけるチームの試合開催の優先権が強いという1例なのです。
ロサンゼルスを例に挙げれば、プレーオフの時期にステイプルズセンターでコンサートの予定を入れるというのは、かなり数が少なく、そのため、空港近くのフォーラムが使われる傾向にあります。
まずは、ロサンゼルスのステイプルズセンターから少し見ていきたいと思います。この会場のポイントは、一般席とスイートのバランスです。
ステイプルズセンターの場合、1階席(100レベル、200レベル)とアッパー席(沖縄アリーナでいうバルコニー席)の間にスイートの階層があり、アッパー席は非常に高い位置になります。
ここは、規模の大きいチームだとNHLキングスとNBAレイカーズ、クリッパーズが使う会場になります。
基本的には、それほど見づらい座席はない会場になり、ただ、300レベル(アッパー席)がひたすら遠く感じるという印象を受ける会場になると思います。
西のロサンゼルスに対して、東はニューヨーク。
ニューヨークには、マディソンスクエアガーデンとバークレイズセンターがあります。マディソンスクエアガーデンは、世界でも最も有名なアリーナの1つになります。この会場も普通に見る上では、特に見づらいという座席はそれほど存在しません。マディソンスクエアガーデンの場合、スタンド席とコートの間にある「コートサイドシート」のバランスが良く感じます。例えば、ファンが歩く通路がスタンド席とコートサイド席の後ろにあり、しかもスタンド席の段差もしっかりあるので、スタンド席のファンもそれほど前を歩く人が気になりません。これだけ段差があるということは、通常、フラットか、ちょっとした段差しか作れないコートサイドシートの段差があるということになり、ここは2列目以降のコートサイドシートでも見づらくない作りになっています。
2012年にブルックリンにできたバークレイズセンターは、NHLの試合で話題があります。この会場でNHLの試合が開催されると、本来はセンターにあるべきビジョンがずれます。
ナッソーコロシアムを本拠地にしていたアイランダーズが移転してきましたが、数シーズン過ごした後、練習場の問題で、ホームゲームの半分は旧本拠地であるナッソーコロシアムで開催し、2021-2022シーズンからは新しいアリーナであるUBSアリーナが本拠地になります。
ネッツの本拠地になりますが、この会場は新しくできた割には、やや見づらい座席が多い会場です。