沖縄市に完成した沖縄アリーナは、バスケットボールを見るためにできた会場ということで、非常に楽しみにしていました。しかし、コロナウィルスの影響で当初、4月10日にこけら落としとして予定されていた三河戦の開催ができず、翌週の大阪戦も中止、ようやく4月21日に開催となりました。
沖縄アリーナとはどのようなものなのでしょうか。
会場の公式サイトによると、コンサートのセンターステージのレイアウトで1万人、バスケットボールで8000人を収容できるような規模の会場です。
場所は、那覇市の那覇空港からおおよそ30キロほどのところにあり、おおよそ車で1時間ほどの距離になります。
このアリーナは公式サイトを見ても、「観ることを目的としたアリーナ」とあります。そのため、ファンであれば、「このアリーナに行くと、すごく観やすい体験ができるのではないか」と期待します。
しかし、観やすいとは難しい表現です。
「観やすい」とは、感覚なので、目的にもより感じ方が異なりますし、そもそも行く人が、「いままでどんな会場で見ていたか」というのが最も影響すると思われるからです。
例えば、いままでアメリカでNBAの試合しか見たことがない、という人がいたとします。NBAの会場を見てからこのアリーナに来る場合、コンパクトで非常に見やすいと感じるアリーナになります。
Bリーグの試合を地元やアウェイで応援している方の場合、正直なところ、プロスポーツを体育館レベルで見るほど、近いものはないです。
また、一般的に日本の体育館レベルで開催される試合は見やすいです。
そのため、そのようなBリーグの観戦がベースのファンは、見やすさより、普段の体育館よりもう1層高いところに座席があるので、その大きさに驚くはずです。
これは想像ですが、球団が最も力を入れたいのは、ファンに対して専用アリーナにおける「非日常的な体験の提供」になるのではないでしょうか。
これだけは、体育館がどんなに頑張ってもなかなか表現できない部分です。
コートと座席自体はそれほど変わりませんが、コンセッション(売店)は、やはり専用アリーナの売店というのは、プロスポーツを見に来たという雰囲気があります。かたや体育館の場合は、テーブルで販売するということでどうしても日常的な販売方法になってしまいます。
コンコースからトンネルを抜けて、出た先の景色もプロスポーツを専門アリーナで見るという醍醐味の1つです。
野球映画ですが、レッドソックスファンを描く映画である「Fever Pitch」(邦題 2番目のキス)の初めの場面で、主人公が幼い頃にレッドソックスの本拠地であるフェンウェイパークに連れて行ってもらったときの球場に入り、トンネルを抜けフィールドが目のまえに広がるところの場面が、まさしくその感覚のすべてだと思います。
沖縄アリーナは、アリーナクラスで開催されるプロスポーツのイベントとして、本格的なアリーナでのプロスポーツ体験を期待できる場所です。
座席の見やすさより、日本のバスケットボールが目指すべき場所(会場の規模)として1人でも多くの方に体験をしてもらうとで、この波が広がっていくのではないかと期待します。
日本の会場の紹介として、今回、沖縄アリーナをピックアップしておりますが、もともと過去20年、NBAを含む北米のスポーツ観戦やエンターテイメントの観戦をアレンジしてきたため、NBAの会場は、ほとんど(ミルウォーキーのファイサーブ・フォーラムとソルトレークシティのビビント・スマート・ホーム・アリーナは中に入れていませんが、NBAの観戦についてはこちらをご覧ください)回っており、開門時間から会場に入り、会場の上から下まで回れるところはすべて回っていますので、数字のようなものではなく、1ファンとしての感覚として、それを基にNBAの会場について少しご紹介してみたいと思います。