SL「やまぐち」号は1979年(昭和54年)現役に復活し、新山口駅と津和野駅を結んでいます。SL「やまぐち」号を牽引する蒸気機関車は「貴婦人」の愛称で親しまれるC57 1号機と「デゴイチ」ことD51 200号機で、展望デッキを備えた豪華なレトロ列車が連結されています。途中の地福駅では記念撮影もできますし、終点の津和野駅では、転車台で方向転換する蒸気機関車を見学することもできます!お子様連れの家族から鉄道ファンまで、きっと楽しめる鉄道の旅になることでしょう。
基本情報
乗車区間 新山口駅から津和野駅(下り)、津和野駅から新山口駅(上り)
乗車時間 片道約2時間10分
時刻表 下り 午前10時50分 新山口駅発、午後12時58分 津和野駅着
上り 午後3時45分 津和野駅発、午後5時30分 新山口駅着
※津和野行きの下り列車では途中の地福駅で約13分間停車、記念撮影ができるように配慮されています。また、新山口行きの上り列車では地福駅と仁保駅を通過します。
運賃(全車指定席) 新山口駅から津和野駅の片道 普通車おとな1,700円・こども840円/ グリーン車おとな2,170円・こども1,580円 ※乗車券・指定券の発売はJRみどりの窓口で、乗車日1ヶ月前の午前10時からとなっています。
定員 245名
アクセス
SL「やまぐち号」はJR新山口駅から島根県のJR津和野駅までを結んでいます。なお、「蒸気機関車C57 1号機」「蒸気機関車D51 200号機は検査・修繕のため、2021年3月からディーゼル機関車(DL)による牽引となっています。そのため、水と石炭を補充する作業が不要なので転車台は使用されません。詳細はSL「やまぐち号」の公式サイトでご確認ください。
SLやまぐち号
さあ、あとは蒸気機関車「やまぐち号」が来るのを待つばかり。その時、声をかけられました「すいません、今日はここで撮影されます?」初心者はこれだから困ります。気が利かないというか、配慮が足りないというか、自己中というか。なんとかに付ける薬はありません(笑)
その日の「やまぐち号」は新山口駅を10時50分の発車で、長門峡駅に着くのは12時03分。長門峡駅から7分ほど歩くと「やまぐち号」の撮影スポット「長門峡鉄橋」があります。普通列車で「やまぐち号」より先回りすると「おー、居るわ居るわ、同志が!」たくさんの鉄道愛好家がすでに準備万端、三脚を設置してズラッと並んでおりました。みなさん装備が本格的。でも、意外と鉄橋から遠く離れて待機してるじゃありませんか。はて、なんでだろう?まあ、人は人、知ったこっちゃありません。初心者には分からない、何かこだわりがあるんでしょう。そこで鉄橋の近くに陣取りました。「ここならどんな素人でも迫力ある蒸気機関車を撮れそうだな・・・」素人目にも絶好の撮影場所と思えるのに、また同じ疑問「なんで、あんな遠くにいるんだろう?」腑に落ちません。その場所に誰もいないなら、いないなりの理由がありそうなもんですよね。でも思い至らない、ぼんやりさんでした(笑)しばらくすると普通列車が来たので試し撮り「よしよし、思った通りだ」ここならバッチリいい写真が撮れそう。ひとり悦に入ってると先輩から洗礼を受けました「すいません、今日はここで撮影されます?」実はね、みなさんが気になさってるんですよ。丁寧な言葉をぼんやりさん流に直すと、つまり「あんたねえ、後からのこのこ来といてデーンとそこに構えられちゃ迷惑なんだよ!もうちょっと周りの空気を読んだらどうかね」どうも失礼いたしました。そこで先輩の末席に加えさせていただきました。聞けば、早い人は早朝7時から準備してるらしい。また、どうして遠く離れた場所を選んでるかの説明もしてもらいました、なかなか奥が深いようです。それなのに、どっかのぼんやりさんときたら用意してるものはデジカメとスマホのみ。まるでメジャーリーグで活躍する大谷翔平の二刀流みたいで格好いい!と言われると面はゆいですが(笑)果たして、両方で撮影できるのか?心許ありません。ところが先達さんはおっしゃいます「大丈夫ですよ、蒸気機関車の速度は遅いからね」長門峡駅から鉄橋へ来るころはまだ加速前だし、心配いりませんよ!なんと楽観的なことか。不器用で、ここぞという時の重圧に弱いのを知りませんね(笑)共通の目的があると、ある種の連帯感が生まれて時間が経つのが早いもの。今か今かとジリジリしてると合図がありました「ポッポッ、ボォォォォ!」続いて踏切の音「カンカンカン」すると森の向こうに黒煙が立ち昇り、静寂を破る轟音。ついに驀進する蒸気機関車「やまぐち号」が現れました。「来たっーーーーー!」写真、写真。あっ、もう鉄橋に差し掛かってるよ!よくもまあ、加速前だからと余裕こいてられんな、ぜーんぜん大丈夫じゃないよ。先ずはデジカメからにしよう。あっあっ、あーーーーー「行ってしもうた・・・」万事休す。案の定パニクってしまいました(笑)もし撮れてなかったら、ぶれてたらどうしよう。確認してもデジカメの画面は小さく、微妙。いったい何枚撮れたことやら「ひい、ふう、みい、よう、たったのこれだけか・・・」駄目だこりゃ、絶望的。
一瞬のできごとに放心状態で長門峡駅に戻る途中、まるで待ってたかのようにお地蔵さんがいらっしゃいました。そこでつい心のうちで叫びました「どうも御免っなさーい、やってしまいましたー」優しいお地蔵さんが慰めてくれてるようでなりません「どうした、お若いの。しょんぼりしおって。なになに、おーおー、それはそれは大変じゃったのう。じゃが、そう己を責めるでない。お主が一生懸命やっておるのを、わしはちゃあんと知っておる。なんも心配するには及ばんぞよ。そう、くよくよするでない。よいな、達者でな!」ところでお地蔵さま、蒸気機関車「やまぐち号」の写真、どうでしょう?これでも精一杯やったんですよ(笑)